真美の結婚は、25歳くらいだった。私たちの時代では、普通に適齢期の結婚だった。
お相手は、エリート会社員で、
1年後には女の子を、出産し順風満帆に思えた。が
そこで事態は変わっていった。エリート会社員の夫が、マザコンだったのだ。
どんなマザコンだったかについては、気持ち良くはないので、想像におまかせするとして。
ある日の夕方、真美は
「お豆腐買って来ます」と言って、一人娘を、抱っこしお財布だけ持って、家を出た。
そして、もう家に戻ることはなかった。
真美は、すぐに家を建てた。
看護師を、しながら必死で働き、娘を、育てた。
毎月の給料全額を、家のローンに。
年二回のボーナスを、生活費にあてて、頑張った。
真美は、一度も愚痴めいたことは言わなかった。
彼女は、やりきってきた人生のご褒美に年間二回のクルーズの旅を、満喫している。
言い訳せず、悔いのない人生を、生き抜いただけに、真美は、いつ会ってもサバサバしていて、気持ちがいい。
こんな真美が、友達でいてくれることを、誇りに思う。